農林業 栗山町における中山間地域等直接支払い制度の運用と取り組みの状況について
産業振興課農林業振興グループ
栗山町の農業・林業・畜産業に関わる業務を担っています。
中山間地域等直接支払制度とは?
中山間地域にある農業地域(中山間地域)において、農地を維持・管理する活動費を助成する制度です。助成は傾斜のある田畑の面積に応じて一定額が交付され、農業者が行う農道の草刈りや水路の泥上げなど、地域ぐるみで農地を守る活動費に充てられます。
交付金の使いみちについて
本制度では農道や水路の管理活動のほか、農地のパトロールや鳥獣被害の防止、共同利用機械の購入など中山間地域の農地を維持・管理をするためのさまざまな活動に対して支援を行っています。また農村のきれい風景を保つため、立木の伐採や花壇の整備などにも助成を行っています。
制度を運用する目的
中山間地域は傾斜があるなど、地形的条件が悪いため、農業者の負担が大きく、荒れた農地の増加が懸念されています。荒れた農地の増加により、中山間地域の持つ公共的機能(洪水や土砂崩れを防いだり、水質を維持・浄化するなどの機能)が失われると、私たちの生活に影響を及ぼします。
こうした中山間地域の持つ機能が失われないよう、栗山町では中山間地域で農地の維持・管理を行う40の集落に対して支援を行い、およそ1,415haの中山間地域の農地を守っています。
予算と内訳について
本制度は法律に基づいた国の事業です。したがって、国と地方がそれぞれ負担する交付金の割合が決まっています。交付金は1/2を国が、1/4を都道府県、1/4を市町村が負担します。
令和4年度は1億2,267万円の交付金が農業者へ支払われ、そのうちの1/4にあたる3,067万円を栗山町が負担しています。
町の未来や町民の暮らしとの関わり
現在
本制度の支援により、中山間地域でも農業者が意欲的に農地を維持・管理することができるため、農地の有する次のような働きが保たれています。
- 洪水や土砂崩れを防ぐ
- きれいな水をつくる ・暑さをやわらげる
- 生き物のすみかを作る
こうした働きは農業者や中山間地域の住民だけではなく、日々暮らしの中で町民全体が恩恵を受けています。
将来
近年、局所的な豪雨によって、全国各地で洪水や土砂崩れなどの災害が多く発生しています。中山間地域の農地を維持・管理することによって、洪水や土砂崩れを防ぐ機能が守られ、将来的に起こりうる災害に一定の効果があります。
制度や事業の課題について
農業者の高齢化により、後継者不足や農家の減少が課題となっています。本制度では、地域ぐるみで行う農道や水路の維持・管理活動が必須ですが、集落内の高齢化や人手不足によりこうした活動に対する一人当たりの農業者の負担が大きくなっています。また、中山間地域はシカなどの農作物被害が多く、農業者の営農意欲の低下なども懸念されています。
課題解決に向けた、町の取り組みと状況について
栗山町は就農イベントに積極的に参加し、新たに農業者を志す若者と面談を行ったり、新規就農希望者を招いて農業体験を行うなど、担い手の確保に取り組んでいます。
また、農作物被害を減らすため、シカなどの駆除活動を行っています。中山間地域を守り、荒れた農地を増やさないためにも、中山間地域で活動を行う農業者を将来にわたって確保し続ける必要があります。
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